VOL.5 小規模保育園あんよ 髙田佳代子さん
働くお父さんやお母さんにとって、小さな子どもを安心して預けられる保育園は、とても頼もしく、ありがたい存在。
BRANCH学園都市にある「小規模保育園あんよ」は全国的に見ても珍しい商業施設内にある保育園として、子育て世代のパパ・ママはもちろん、地元の方からも温かい眼差しを向けられています。
「あんよ」の代表を務めるのは、ご自身も幼稚園教諭の経験を持ち、長らく子育て支援の活動に奔走してきた髙田佳代子さん。たくさんの方に支えられて実現したという開園までの経緯や現在の思いを語っていただきました。
———— 以前、髙田さんは幼稚園で先生をしていらしたそうですが、当時からこうした施設を作ることを考えていたのでしょうか?
髙田さん 私はもともと子どもが好きで、幼稚園の先生になりました。結婚を機に退職したものの、阪神・淡路大震災の復興に携わる仕事に就き、その際に子どもたちの支援がしたいと思うようになりました。
一方、子育て中に、まわりの人に支えられたという私自身の経験から、子育てをする親にとっては育児の相談をしたり、協力・サポートをしてもらえる環境がいかに大切かを痛感したんです。
そこで、子どもだけでなく親の支援も行いたいと2007年に任意団体を立ち上げてNPOにし、様々な活動を経て一般社団法人Babyガーデンを設立。赤ちゃんとお母さんのためのリラックススペースや子どもの一時預かりなど多岐にわたる子育て支援を展開してきました。
———— Babyガーデンの活動が「あんよ」の原点なんですね。
髙田さん 当初、BRANCH神戸学園都市にはBabyガーデンとして携わっていたのですが、ある時、大和リース神戸支店長とBRANCH支配人が子育て支援団体の交流の場を設けてくださって。そこで『小規模保育園をつくりたい』と相談したところ、偶然、数ヶ月後にBRANCH内の店舗が空いて、挑戦する機会をいただきました。そこから開園に向けて怒涛の認可申請準備が始まりました。
2018年に「あんよ」がオープンするまで、本当にたくさんのご縁に恵まれ、ご支援に支えられてきたなぁと改めて思います。
———— BRANCH内のみなさんも「あんよ」の子どもたちを温かく見守っていると伺いました。
髙田さん 私が大切にしているのは[地域で子育て]。つまり、街ぐるみ・地域ぐるみで子どもの成長を見守り、親子ともども支援するということです。
今、「あんよ」には0歳から2歳まで13名の子どもがいますが、BRANCHの中をお散歩したり、2階にあるユニクロさんの入り口横の通路・・・私たちは勝手に“あんよの滑走路”と呼んでいます(笑)・・・で遊んだりしていると、訪れたお客様や館内の従業員が足を止めて、微笑みかけたり、声をかけてくださったり。みなさんのそうした対応のおかげで「あんよ」の子どもたちは人懐っこくて、あまり人見知りもしません。『こんにちは!!』と自分から元気に挨拶する子もいるんですよ。
———— 日々心がけていることやお仕事のモットーは何でしょう?
髙田さん 子どもを大切に育むには、子育てのための環境づくりと同時に親の支援も必要。親の心に余裕がないと、心豊かな子育てはできませんよね。お父さんやお母さんは、仕事中は子どもと離れて寂しい反面、一人の大人としての時間は持てるはず。そうした時間が心の余裕を生むのではないでしょうか。
ゆとりある子育てをしてもらえるよう、「あんよ」はこれからもずっとお父さん、お母さんが安心して働けるための保育園でありたいと思っています。
———— 最後に、お客様へのメッセージをどうぞ。
髙田さん 「あんよ」が今日あるのは、支えてくださるみなさんのおかげ。心から感謝しています。
実は、スタッフも求人募集とかではなく、人の繋がりで成り立っていて、フリーランスの仕事をしながらパートで働いてくれたり、ボランティアをしながら来てくれる人も。また、「あんよサポーター」という登録制度があって、絵本の読み聞かせをする大学生やお絵かき体験を実施してくれるアートラボの先生、節分に本格的な鬼の扮装でやってくる舞台女優さんなど、世代や業種を超えた様々な方が携わってくれています。
どうか今後も温かく見守ってくださいますようお願いいたします。
髙田佳代子さん執筆記事:『孤育てからの脱却(1)~子育て支援は、親支援~』
プロフィール
小規模保育園あんよ 髙田佳代子さん
神戸市出身。
もともと子どもが好きで幼稚園教諭の仕事に就くも、結婚を機に退職。阪神・淡路大震災の復興関連の仕事に携わったことや自らの経験から子育て支援の必要性を痛感し、任意団体を立ち上げてNPOに。その後、一般社団法人Babyガーデンを設立。
2018年、BRANCH神戸学園都市において「小規模保育園あんよ」を開園。
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