-Forest Times Special Feature- THE 9th ISSUE of 2022
知っておきたい 会話力アップのコツ
著者:中村 美夕紀(ライター・占星エッセイスト)
ビジネス・シーンではもちろん、
プライベートにおいても会話はコミュニケーションの基本。
「○○さんと話していると楽しい」とか
「□□さんが加わると会話が弾む」など
話し上手、あるいは会話上手と目される人のまわりには、
自然と人が集まり、世代や業界の垣根を超えて人の輪が広がっていきます。
リアルな人間関係の重要さが見直されている今だからこそ、
会話力を高めて、様々な人と気持ちよくコミュニケートしませんか。
よく知られたことわざでは『話し上手は聞き上手』とあります。————まさに真理。話題の豊富さや言葉選びのセンスも重要な要素には違いありませんが、何より相手の話をよく聞き、きちんと理解することが話し上手へのスタートライン。独演会ならともかく、個人が勝手に延々としゃべり続けていたら、会話は成立しませんし、そういう相手に対して「また会って話したい」と思う人はいないのでは? 伝えるべきことを伝えた上で相手の話にじっくり耳を傾ける、そしてリアクションする、双方にとってフェアで快適な言葉のキャッチボールが楽しく心地よい会話を成立させます。
では、真の聞き上手になるにはどうすればいいのか。20年余に及ぶライター&インタビュアー生活の中で、私が心がけてきたことをご紹介しましょう。
①まず相手をきちんと知ること。
どんな人か、何に興味があるのか、SNS等でリサーチするだけでなく、場合によっては著作を読んだり、現地に足を運んだり、できる限りの準備を。
②話しやすい場(雰囲気)をつくること。
例えば「こういう問いかけ方だと即答してくれる」とか「これくらいのペースだと話しやすそう」とか、会話中の反応を見て、気配りすることが大事。
③訊きたいこと、話したいことを明確に。
会話の流れで時には横道に逸れたり、脱線したり。でも、一番訊きたいことや伝えたいことが明確であれば、あとは切り出すタイミングをつかむだけ。
④沈黙をむやみに怖がらない。
会話が途切れると不安になるという人は多いはず。でも、焦って話題を変えたりするのは逆効果。相手も考えを巡らしているのかもしれませんから、柔和な表情でゆったり構えて。
⑤会話そのものを楽しむこと。
実は、これが一番難しいかもしれません。相手の言葉の中で興味をそそられるもの、好奇心のアンテナが反応するもの、まずそれを見つけるように。
以前、歌手のさだまさしさんにインタビューした際には、話が盛り上がりすぎて当初30分の予定が1時間以上にも。さださんご自身のお話の面白さに加え、こちらが質問しやすいよう配慮してくださる、その姿勢に感動しました。
インタビューに限らず、初対面の人と話すのは誰でも緊張するもの。ですが、聞き上手のスキルが身につくと、もっと話を聞きたい、もっと話してもらいたいと思うように。会話の達人が目指す最終ゴールは、聞き上手をさらに深めた“話させ上手”なのかもしれません。
中村 美夕紀さん / ライター・占星エッセイスト
大学卒業後、出版社、広告プロダクション勤務を経て独立。
東芝社会人野球チームやダンロップ商品のネーミング、そごう・西武の広告をはじめ様々な企業の会社案内、パンフレット、ポスター等の制作、雑誌の特集記事等を手がける。ライター、インタビュアーとして活動する一方、FMラジオやAbemaTV等に出演。
また、占星エッセイストとしてPHP出版「暮らしラクール」等の雑誌に寄稿。ブログにおいて西洋占星術、九星気学を中心とした幅広い情報を発信している。